クソマジメに生きてたら髪が薄くなってきた

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ミレニアル世代薄毛マンの経験

【アニメガタリズ】第10話 未乃愛が幼い頃に見たアニメの正体

アニメガタリズ10話

学園長から直々に廃部を宣告されたアニメ研究部。黒幕はイケメン先輩!?未乃愛が感じている違和感の正体とは?

学園長の過去、未乃愛が幼いころに見たアニメ、そして部室の謎に迫っていく

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アニ研廃部かぁ…」
「学園祭あんなに盛り上がったのに…」
「うん…」
「例えこの家が無くなっても、私たちは家族だ」
「え、どうしたの急に?」
「はっ!まさかパパ、またリストラの危機!?」
「え!また!?」
「ものの例えだ」
「はぁ…」
「えっと、つまりは?」
「家という入れ物が無くても家族は家族だろ?」
「仲間は仲間だよね!」

 

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アニケン、ヤットハイブ | TVアニメ「アニメガタリズ」公式サイト

アニ研を潰そうと生徒会を動かしていたのは何を隠そう学園長の荻窪であった。アニ研廃部撤回を直談判しに行くみのあ。一方アニ研部員は、閉ざされた学園長室のドアを開けるため、パスワードのヒントを探すことになる。
ようやく、みのあの夢に出てきたアニメの秘密が明かされるのだろうか?

脚本:笹野 恵 絵コンテ:金子祥之
演出:金子祥之 作画監督:小林多加志

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www.youtube.com


<学園長、出てこい!>
アニ研廃部を撤回しろー!>


「一体何が起きてるんですか?」
「私にも分からない…」
アニ研が無ければ生きていけない!>
「我々がここまで渇望されているとはな」
「にしても、少し異常ですわ」


「生徒諸君に告ぐ」
<学園長だ!>
「諸君らがアニメ研究部の廃部撤回を求めるならば、本校は本日をもって廃校とする」
「えぇーー!?」

「これでいいのかね?」
「えぇ、雑魚を黙らせるには水を断てばいいだけの話です」

 

荻窪出て来い!><説明しろ!>
「みんな殺気立ってるな…」
「何か怖いです」

「ここ俺のエサ場の1つ。あれ~?」
「先輩、何してるんですか?」
「ボーっと見てないで手伝え」
「わぁっ!ん?学園長!?」
「し、失礼します!阿佐ヶ谷未乃愛、アニ研の1年生です」


「未乃愛の声ですわ!未乃愛開けて!」
「中には聞こえないのかも」


「何でそんなに、アニ研を嫌うんですか?」
「あのザマはなんだ?」
「え?」
「学園祭のショートアニメだ。イマジナリーラインは越えているし作画は崩壊、声優は棒読みだし、勢いだけで話が無い、ズブの素人脚本!」

 

「なんですとーー!」

「あれは私の魂の作画ですわよ!」


「しかもEDが間に合わずにライブとは!タイトルも長すぎだ!」
「あ、あの…」
「反論があるのか?」
「そんなにじっくり見てくださったんですね!ありがとうございます!」


「熱いダメ出しですわね」
「タイトル長い…タイトル長い…タイトル長い…」
「もしや学園長は、アニメファン?」
「では何故、奴はアニ研を破滅の道へ導こうとするのだ」


「アレはダメなところはあるかもだけど、でも私の大好きなアニメをいっぱい詰め込んだ最高の作品なんです!」
「大好きなアニメ…?」
「実は私が子どもの時に見たアニメなんです!ロボットがバーン!おじいさんがドーン!ラララー♪少女の歌が敵を倒し、魚がピチピチピチ!そして天使降臨…。今でも夢に見るんです」
「バーンダウンとストレッチドーンと人魚メロディピチピチピッチとアンドロメダエンジェルか。名作ばかりだ。だが、なぜそれがああなるのだ!」
「すごい!アニメ詳しいですね!でも私が大好きなアニメは違います」
「タイトルは?」
「覚えてません!」
「堂々と言うな!アニ研のくせにタイトルを覚えてないだと!美少女なら不思議のミディアか、巨大ロボならガーゼポンか、敵を倒すなら超架空盆栽ミクロスか、天使ならデカダンスの犬か!」


「学園長やたらアニ研に絡んできますね。まるで先輩面です」
「そういえば部室のラフスケッチって、ミディアとかガーゼポンっぽかったですわ」
「あ、もしかしてはアニ研だったとか?」
「調べましょう」


「アニメの美少女、超架空盆栽ミクロスのメイミンリンの髪と命とどちらを取るかと聞かれ、髪と答える生身の少女号は衝撃だった…。美少女戦記セーラーウサギは少女漫画初のバトルヒロインモノであり慈愛に満ちた伝説のシリーズ最終話は語っても語り尽くせぬ…。にしてもうるせえ輩のハムちゃんの一途さは可愛すぎだろう!はぁ、浮気して電撃を食らいたい!日常系美少女では日当たりそこそこ気ままにミカンロードだな。ちなみに相山のモデルは当時大人気のアイドルで…」

 

「うそっ!いたぁー!」
「アニメファンからアンチアニメへ…何があったんだろう?」
「学園祭で58回くらいリライトくらって、アニメが大嫌いになった脚本家志望とかね…フフ」


「ネットが無かった当時はアニメッタを貪るように読んだ」
「はい、勉強します!」
「ん?手遅れだ。学園祭のアニメが黒歴史となってお前に一生付きまとう」
「あのですね、アニメを作るのってめちゃくちゃ大変なんですよ!」
「情熱と個性の真剣勝負。迫る時間と体力の限界…でもみんなの才能と心を1つにして作品にするのが監督です!」


「お前が監督を語るなー!!!!」

「監督とはなもっと崇高で高邁で孤高な存在なんだ!1人なんだよ!監督がいなけりゃ何も出来上がらないんだ!もっと崇めろ!チヤホヤしろ!」
「分かります、すっごく分かります」


「分かってませんわね」
「にしても暑苦しい語り…」
「もしかして学園長って、アニメの監督だったとか?」
「ありえるね」
「オーロラ!何しに来た!」
「すまなかった!実は訳があって…」
「言い訳は無用です!オーロラ先輩!」
「今更無駄ですオーロラ先輩!」
「実は僕の家は6人兄弟でね…」
「オーロラ先輩が6人!?」
「上の兄弟たちはろくでなしで…いやこの話はやめておこう。とにかく僕は意識高い系coffee屋で必死でバイトをしていて、学園長はお得意さんだった。家の経済事情から進学を迷っていた時、力になってくれたんだ。だから学園長の命令には背けなくて…ずっと苦しかった」
「オーロラ先輩…そんな事情があったなんて…」
「なのにいつも笑っていたオーロラ…お前ってやつは!」
「きゃはは!至福ー!」
「そう言うことならしゃーない。お帰り、オーロラっち」
「ありがとうみんな…でさ、オーロラって呼ばないでくれるかな?」

 


「監督が一番偉いんだ!」
「もちろんです!」
「ほわ~は~!学園長の話を聞いていたらやる気が出てきました!」
「やる気…?」
「2作目はもっと頑張ります!」
「2作目…」
「だって私アニメが好きなんです!アニ研が無くなっても私たちは仲間です。仲間がいれば次も作れます!」
「次など無い」

「1話で失敗したら全て終わりだ…。その後の2クールを魂の全てを作っても…1話打ち切りになったらお終いなんだ!」
「俺は悪くない…悪くない悪くない悪くない!悪いのはアニメファンだ!毎晩毎晩、匿名の奴らがネットの端っこで重箱の隅をつつくような真似しやがって!何がぬるぽだ!ふざけるな!」
「え?もしかしてはアニメを作ったことがあるんですか!?」


「やはり監督だったか!」
「でも1話打ち切りって」
「ディスられて心が折れたんですわ」
「クリエイターとしては共感しかないです…」


「俺の作品は闇に葬り去られたーー!」

 

「ふぇーしんど」
「あ、ネコちゃん」
「ネコ先輩と呼べ!」
「こんなところにネコドアが」
「あいつ意外と猫好きでさ」
「未乃愛大丈夫!?」
「うわぁぁぁぁぁ!」

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「有栖ちゃん!?」
「ここを開けて!」
「ええっと…ボタンがいっぱいで分からない…」
「学園長!パスワードは!」
「今のアイツにはお前らの声は聞こえない。ドアの鍵は心の鍵かもな」
「心の鍵?」
「学園長が心を開かない限り、永遠に開かないということでしょう」
「中二かっ!」
「お前がいうな」
「心の鍵となるパスワード…」
「アニメがきっかけで闇落ちなら、そこから救い出すのもアニメしかない!」
「うむ。闇の彼方の一筋の光明、探して見せようぞ!」
「うん。Mプロジェクト始動!アンビシャス、スタート!」
「未乃愛!絶対のアニメを探し出すわ!そしてあなたを必ず助ける!」
「な、なるはやでお願いします」
「ヒィィ…!」

 

 
「とにかく情報を集めよう」
「詳しそうな人にあたってみます」
「任せた!」
「ヒットしませんわね」
「こうなったら人海戦術よ。あーもしもし沙織さん?ちょっと聞きたいんですけど…」
「生配信という手もありますわ!」


「全世界のアニメファンの皆さん、私は上井草有栖。とあるアニメを探しています。あなたのありとあらゆるアニメの知識を結集して教えてください」

「ミディアとデカダンスの犬へのオマージュだったり…」
「超架空盆栽ミクロスとガーゼポンへの壮大なリスペクトでもあり…」
「1話打ち切りのアニメです!みなさんの力が必要です。どんな情報でも構いませんわ」


「ネットはどう?」
「有栖ちゃんの事は話題になってるよ」
「そっち!?」
「まぁでも、バズればきっと情報来るね」

 

「アニメは俺から全てを奪った!」
「アニメのおかげで大切な仲間に会えたし、夢が見つかったんです!」
「悪夢だ、絶望だ」
「宝物です!」


「宝物?バーン!ドーン!ラララーのピチピチ-!とかいうアニメが?」
「いや、それはその上手く説明できないだけで…。本当はもっと物凄いアニメなんですってばー!」


「あぁ1話打ち切り…」
「はい、何か心当たりは?」
「さぁ…」
「1話打ち切り…何だっけ。エタシンだったかな?」
「西麻布、仕事しろ―」
「あ、はい」

 

 


「超カタルシス的少女エターナルシンフォニー!これよ!」
「タイトルきたー!」


「え?違うの?」


「副題がエターナルシンフォニーだと!?ふん、どうやらこの世界にはもう1人の俺がいるらしい」
「中二同士気が合いそうですね。すごいリプきてます!トレンド入りです!」


「地球を守るための巨大ロボ!でもレバーはピアノになってて、おじいさんは弾で吹っ飛ばされて、少女の胸の青いペンダントから、魔法の光が生まれて、2人は死に、魚だけが元気に生き残る…そこへ天使降臨!」
「これで1話は終わり、ワクワクドキドキしながら次のお話を待っていた…」
「なのに次の週もその次の週も放送されなかったんです」
「2話以降は監督が封印してしまったからな」

「えっ?」

 


「うっそー!バズり始めた!」
「先輩!ファンから動画が来ました!」
「これって…!」
「超カタルシス的少女…これってもしかして」

 


「超カタルシス的少女エターナルシンフォニー!その監督を知っているんですか!?」
「お前の目の前にいる」
「えぇ~~~!へっへ~~!すごーい!私、大、大、大ファンで!宝物です!大好きです!」

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「分かった分かった、私の作品が誰かの心に感動を残せたのだな」
「バーン!ドーン!ラララー!ピチッピチ!」
「それが…」
「あんなクソアニメになるとはー!」

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「全てが繋がったね」
「ちっ…」
「待たせたな!」
「カイカイ!みこっち!パスワード、カタルシスじゃなかったよ」
「ふっ!はーっはっはっは!カタルシスは元々ギリシャ語だ!哲学者アリストテレス曰く…」
「未乃愛!」「未乃愛っち!」「未乃愛!」

「みんな!」
「未乃愛…良かった…」
「有栖ちゃん…」
「もう、ずぶ濡れじゃない」
「これは酷いですね」
「床もびっしょびしょ」

「あ…あの…」
「ほら動かないで」
「ん?なんだ?」
「学園長、窓の外を見てください」


「あ、あれは…!」


<超カタルシス的少女!><エターナルシンフォニー!><アリスちゃーん!>


「そう、彼らと同じ…。私はアニメを愛している…今でも」
「ふふふ」

 

「悲劇の効果は、観客が恐怖と同情を感じることによって、最後にはこれらの激情から解放される事であり、この働きこそがカタルシスと呼ばれたのだ」

 


ふっふっふっふ、バイバイキ…あっ!

 


「やっぱり部室はいいなぁ~!」
「俺もここが一番落ち着くぜ」
「私も同じですよ。ネコ先輩」
「おっほ!落ち着くー!」
「美子ちゃん!?ネコ先輩の言葉が分かるの!?」
「当たり前じゃない。ほらじっとして」
(ええ?おかしい…みんなどうしちゃったんだろう…)

(やっぱりあの雨は現実なんだ…)
「卒業アルバム…?学園長のだ!」
「うそ…ど、どうして!?オーロラ先輩…?」

 


「次回いよいよクライマックスへ。今から言っておこう!何も信じるなよ!」
「でないと…あぁぁぁぁ!」
「こうなうぼ」